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許可が必要な仕事、許可が要らない仕事

最近、「個人で商売するのに許可が必要な仕事があるのはなぜなの?」をいうご質問を受けたので、ざっくりと説明したいと思います。

雑貨屋さんや、本屋さんを始めるときは、商品を並べるスペースを、借りるか何かして準備したら、あとは商品を並べてお客さんが来るのを待ちますよね。誰かに許可をもらったり、どこかに届け出たりはしませんね。

その一方で、許可や届出が必要な商売があります。

たとえば、不動産屋さんはお店の所在地の知事の免許が必要です。(国土交通大臣免許が必要になる場合もあります。)

建設業者で500万円以上の工事を請け負う人も、本店所在地の知事免許が必要です。(こっちも国土交通大臣の許可が必要な場合があります。)

住宅は大変高価な買い物ですし、建築物はきちんと造らないと危険、ということで、それぞれ信頼のおける業者や、きちんとした技術のある人しかやっちゃいけませんよ、という意味で免許や許可が必要なのだと思います。

建設業法の第1条には「建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護する」という文言があります。
宅建業法の第1条にも「購入者等の利益の保護」という文言があります。

キャバクラを営業する時も、許可が必要です。
こちらはお店のある場所の都道府県公安委員会の許可です。
許可の目的は
「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止」
「風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進」(どちらも風営法第1条)
です。
風営法のもともとの目的は、売春の防止ですので経営者の履歴のほかに、店内の明るさや見通しのよさがチェックされます。また、学校や福祉施設の近くでは営業できません。

ちなみに、キャバクラを営業するなら、飲食店の営業許可も必要です。飲食物を提供するお店が不衛生だといけませんからね。

ところで、許可をもらうには、様々な要件をクリアしなければいけません。許可の種類よって異なりますが、以下のようなものです。

  • 許可を受けようとする人に十分な技術があるか、犯罪歴はないか、など
  • 営業するために必要なお金を持っているか
  • その営業を、その場所でやってよいか
  • その営業をするのに、十分な設備があるか
  • などなど。

この要件をクリアできなくて、許可を諦めることは、結構あります。なお、要件を満たさず、許可をもらうことができないことが明らかである場合は、許可をもらうための「申請書の提出」を止めておくのが普通です。

最後に、許可の必要な仕事を、もう一つご紹介しておきます。
それは古物商許可。興味のある方が多いようで、頻繁に聞かれます。

古本屋さんや中古ゲームソフト屋さん、古着屋さんなどは古物商許可が必要です。

「新刊書を売る店は許可が要らないのに何で?」と思いますよね。
古物商許可の目的は

「盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため」
「窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資する」(それぞれ古物営業第1条)
なんです。

古物商には法律で、古物を買い取るときには相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認することが義務づけられています。盗品が売りさばかれるのを防ぐためですね。
(ただし買い取り価格が一万円以下の場合は確認不要です。)

行政指導が心の底から理解できた

行政書士試験を目指す皆さま。

この投稿を書いているのはたかはし行政書士事務所の行政書士1号・2号のうちの1号です。
最近、行政書士の実務を通して「行政指導」というものが心の底から理解できたので、紹介いたします。

まず、条文はどうなっているか、というと。

行政手続法の第2条六号
行政指導・・・行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

分かったような、分からないような。。。

でも、行政書士試験を受けるからには、覚えるしかないですね。私も受験生当時は覚えました。かつ、それなりに分かった気になっていました。

しかし、最近になって、行政書士の実務において、「行政指導って、こういうことかぁ」と納得しましたので、さらりと紹介します。

行政書士の実務には、建設業許可申請という業務があります。
建設業許可を取得するには、「社会保険に入らなければならない」と一般に言われています。
しかし、社会保険に入っていなければ、建設業許可は取得させない、という主旨の法令は存在しません。実際に社会保険に入っていなくても、建設業許可は取得できます。

ではなぜ、「社会保険に入らなければならない」と言われているのでしょうか。
それは、法令とは別に、行政が建設業者の社会保険加入を推奨しているからです。
行政の窓口に問い合わせてみると「社会保険加入をお願いしております」という回答が返ってきます。法令で義務付けている訳ではないので、「お願い」であって、加入していなくても許可は取得できるということです。

ここで「行政指導」が登場します。
建設業許可申請書を作成して、提出先である土木事務所に持って行きます。
土木事務所では、社会保険に加入していないことを確認したうえで申請書を受け取り、許可が下りたのち、建設業者に社会保険に加入するようにお願いする文書が送られるわけです。

このように、法令違反ではないので許可は出すけれど、行政としては加入を推奨しているので、後日「行政指導」を行い、改めて加入をお願いする、形になるのです。

法定後見と任意後見の違い|成年後見制度の注意点

成年後見制度には法定後見と任意後見の2種類があります。

【法定後見】

既に判断能力が衰えてしまった人が利用します。

後見・保佐・補助の3類型に分かれています。

後見は判断能力が常に欠如している人(会話のキャッチボールができないくらい)が対象。
保佐は判断能力が著しく不十分な状態にある人が対象。補助は判断能力が不十分は人が対象です。

後見人には本人がした法律行為(売買契約等)の取消権があります。
(以降、申し立て数が一番多い後見について述べます。)

誰が後見人になるかは、家庭裁判所が決定します。
後見の申し立てを裁判所にするときに、後見人になって欲しい人(例えば息子や娘など)を後見人候補者として指定できますが、必ずしもその人が選ばれるとは限りません。(*1)

【任意後見】

今現在は判断力がはっきりしている人が、将来、判断能力が衰えたときのために、あらかじめ後見人なってくれる人と契約を結んでおく制度です。

保佐、補助といった類型はありません。

任意後見人には取消権はありません。

本人の判断能力が衰えてきたときに家庭裁判所に任意後見監督人の選任の請求をし、任意後見監督人が選ばれると、後見が開始されます。(後見人と任意後見監督人の二人が登場します。混乱しないように)
任意後見人は任意後見監督人の下で、間接的に裁判所の指導を受けながら後見の仕事を行います。

【気を付けたいこと】

成年後見人は、本人の代理人として本人の財産を管理します。本人名義の通帳や不動産などは後見人の管理下に置かれ、家族が勝手に手を付けることはできません。
後見人が家族から選ばれていれば気にならないかもしれないことですが、今まで会ったこともない第三者(*2)が後見人になったときに、このことに抵抗を感じる方々もいるようです。(*3)

後見開始の申し立ては、取り下げることができません。また、後見人に選ばれた人を気に入らないからといって、取り止めることはできません。

後見は一度始まると、本人か後見人が亡くなるまで続きます。
例えば、遺産分割協議をしたいけれど親が認知症で参加できない。親の代わりに後見人をたてて無事に分割協議が終わった。もう後見人は必要ない。という場合でも、後見人を解任するわけにはいきません。

専門職後見人が選ばれた場合には、必ず報酬を払わなければなりません。
任意後見監督人にも必ず報酬を払わなければなりません(*4)

(*1)裁判所は後見人の使い込みに神経をとがらせています。候補者の財産調査などがあります。
(*2)弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職後見人といわれる人が選ばれます。
(*3)専門家とはいえ、見知らぬ人に後見を頼むことに抵抗があるなら、任意後見にするといいでしょう。自分で後見人を決めておけます。任意後見契約と法定後見では任意後見が優先されます。ただし、判断段能力が衰えてしまった後では法定後見制度しか使えません。
(*4)法定後見人の報酬額は、本人の財産状況などをみて裁判所が決めます。任意後見人の報酬額は本人と任意後見人になる予定の人との間で自由に決められます。任意後見監督人の報酬は家庭裁判が決めます。

成年後見制度|後見人って何をしてくれる人なの?

【どんな制度なの?】

成年後見制度は、認知症などで判断力が衰えた人に代わって、後見人が財産の管理や契約行為などを行い、法律面や生活面で本人を支援していく制度です。

【どんな人が利用できるの?】

認知症、知的障害、精神障害、高次脳機能障害などによって判断力が不十なために、財産の侵害を受けたり、人としての尊厳が損なわれる恐れのある方です。

【後見人はどんなことをしてくれるの?】

後見人の仕事は大きく分けて「財産管理事務」と「身上監護事務」の2つがあります。

「財産管理事務」

  • 預貯金の管理
  • 日常生活費の管理、送金
  • 年金、家賃など定期的な収入の受取り
  • 税金、保険料などの費用の支払い
  • 不動産の管理、処分
  • 実印、証券、権利証などの重要物の保管など

「身上監護事務」

  • 健康診断の受診手続き
  • 医療契約、入院契約の締結(本人に代わって治療方針などを聞いたりもします)
  • 福祉施設等の入退所に関する契約の締結(老人ホーム等を見学し、環境や費用の説明を受けることなども含まれます)
  • 本人の住居の確保に関する契約の締結、費用の支払いなど

実務ではこの二種類の事務は一体的に行われます。本人の預貯金残高や年金額等と相談しながら本人に必要なサービスを考えていくことになるからです。

【後見人ができないこと】

  • 施設に入所する際の身元保証人―>成年後見人は法律的に本人と同一の立場になりますので、身元保証人にはなれません。
  • 医療同意―>後見人は入院契約はできますが手術等の同意はできません。
  • 居住用不動産の処分―>後見人が勝手に処分することはできません。家庭裁判所の許可が必要です。
  • 本人が亡くなった後のこと(死後事務)->ご遺体の引き取りや火葬、葬儀の手配などは職務ではありません。

【ときどきある勘違い】

「歳を取って家事をするのがしんどいし、銀行や郵便局まで行くのが億劫だ。後見人を付けてもらえないだろうか。」
後見制度は判断能力が衰えた人を支援する制度です。認知能力がしっかりしている人は利用できません。
平成12年に成年後見制度が始まりましたが、その時、同時に介護保険制度もスタートしました。判断力の衰えた人は成年後見制度で支援します(もちろん必要ならば介護保険制度も使えます)。判断力はしっかりしているけれど、身体的に衰えた人は(ホームヘルパー等の)介護保険制度で支援しましょう、というのが国の政策です。

「成年後見人って介護もしてくれるんでしょ。」
後見人は本人の代理として法律行為をする人です。成年後見人の「事務」とは法律行為とそれに付随する事実行為のことです。介護のような事実行為は職務に含まれません。

法律行為とは、売買契約の締結、入院の契約の締結、介護サービス契約の締結、不動産の賃貸借契約の締結などです。
事実行為とは、介護、家事、買い物、病院への付き添いなどです。

(池田惠利子 「エピソードで学ぶ成年後見人」民事法研究会 に身上監護や事実行為の分かりやすい例が載っています。良い本だと思います。成年後見に興味のある方はぜひ読んでみてください。)

成年後見には「法定後見」と「任意後見」の2種類がありますが、その説明は次回以降にする予定です。

遺言書セミナーに登壇します(平成28年10月15日、市川市JR本八幡駅前)

NPO法人いちかわライフネットワーククラブさま主催の遺言書セミナーに、私、高橋求が登壇いたします。

題して「うちは関係ない!と今思った方のための やさしい遺言書セミナー」です。

平成28年10月15日(土)13:30~14:30
JR本八幡駅南口1分、いちかわ情報プラザで開催します。

遺言書なんて自分のうちには関係ないと思っていらっしゃる方に向けて、「遺言書は家族への思いやり」であることを、お話しいたします。

「遺言書のことは気にはなるけど、でも積極的にはなれないのよぉ」という方は、ぜひぜひこの機会に私の話を聞いてください。

  • 遺言書について本を読むのが億劫な方、1時間の話を聞くだけです。
  • 遺言書に関して実感のわかない方、実感できるお話しをお聞かせします。
  • 分からないことは、その場でご質問いただけます。

主催者の作成したポスターです。

i-lnc遺言書セミナーポスター

主催・申込先
いちかわライフネットワーククラブ パソコン教室プラザ☆PC
電話 047-314-0811
プラザ☆PCホームページ i-lnc-plazapc.jimdo.com