庚申塔 | 市川の石造物

9月18日のツイートや昨年12月のブログで登場した「庚申塔」についてのメモ程度の記事です。

【庚申塔とは】
ウィキペデアによると、中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のこと。庚申講を3年18回続けた記念に建立されることが多い。塚の上に石塔を建てることから庚申塚、塔の建立に際して供養を伴ったことから庚申供養塔とも呼ばれる。

国分5丁目の庚申塔。4丁目と3丁目と接する角にある。下部に猿らしきのが見える。

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市川1丁目と新田5丁目の境にある庚申塔。道標も兼ねている。三猿も彫られている。

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【庚申講とはなにか】
庚申講とは庚申信仰の信者の集まりのことです。

【どんな教えなのか】
庚申信仰の唯一の教えは、庚申の日は眠らないで一晩中起きているというだけです。
庚申の日の夜、信者が当番の家に集まって、一晩中飲食を共にしてにぎやかに過ごすのです。

【庚申の日とは何なのか】
昔の日本では年や日付を十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥)の組み合わせで表していました。
(例) 甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰というように進んでいく。
十干十二支を順次に組み合わせていくと日付の場合は61日目で、年の場合は61年目で一周します。なので庚申講は60日毎に行われます。

【なぜ庚申の日には眠らないのか】
人の体内には三尸(さんし)という虫が住んでいて、この虫は庚申の日の夜になると眠っている人の体を抜け出して、天帝にその人の過ちを報告しに行くのだそうです。その報告をもとにして寿命が決まってしまうので、虫を外に出さないように、つまり眠らないようにするのです。

【庚申信仰は宗教の闇鍋と言われている】
平安時代の貴族たちのあいだで「守庚申」という行事が行われていて、これも庚申の日に一晩中起きて詩歌管弦などを楽しんだそうです。これがいつのころからか信仰として庶民の間に広まったようですが、その経緯についてはよく分かっていないようです。

体系だった教義らしきものはなく、「庚申教」というものはあるが内容は三尸説の解説書といった内容だそうです
ご利益は、豊作、豊漁、長寿、厄除け、方位除け、良縁祈願、商売繁盛、と何でもありのようです。

信仰なのですからご本尊もあります。庚申堂は青面金剛(しょうめんこんごう)を祀り、庚申社は猿田彦を祀っているそうです。(庚申のお堂やお社があるようです。私はまだ見たことがありません。)

これが庚申塔になると一気に種類が増えます。
仏教系のご本尊として、青面金剛、如来、観音、菩薩、明王、天部の神、荒神など。
神道系のご本尊として、猿田彦、山王権現など
その他、道祖神、岐神、賽神、八衢の神、大田命、都波岐大神など。

「どう分類してもその悉くを尽くすことはできない(「石神信仰」大護八郎)」そうです。

形態もいろいろで、塚、自然石を用いたもの、板状の板碑、宝塔、宝筐院塔(ほうきょういんとう)、灯篭、石祠など。かならずしも塔状ではないのです。

彫ってある内容も一通りではなく、仏像のほか文字を彫ったものもあります。文字は「庚申塔」とそのままのもの。「南阿弥陀仏」など名号、「青面金剛」など祭神の名もあります。

祭神に加えて、鶏や猿が彫られていることも多く、中央に青面金剛、上部に日辰、月辰、下部に鶏と三猿(見ざる言わざる聞かざる)が配されているものが基本形とみなされているそうです。しかし、なぜこれらのものが表されているのか由来はよくわからないようです。

昨年12月のブログで、庚申の申にちなんで猿が彫られると記しましたが、そんなに単純なことではないようです。「庚申信仰」を記した飯田道夫氏は、三猿こそが庚申尊であると述べられています。

庚申塔は一般に供養塔と言われていますが、心願成就の記念碑らしきものや墓碑らしきものあるそうで「一概に供養塔と決めつけてしまうのもどうかと思う。(「庚申信仰」飯田道夫)」そうです。

庚申塔がある場所ですが、村のはずれ、村と村の境に立っていることが多いそうです。

村の境に立っている神様で有名なのは道祖神です。道祖神は徐病の神とされ、昔は疫病は外部から村に侵入してくるものと考えられていたので、それを防ぐために村の境に道祖神が建てられたそうです。
道祖神の正体は猿田彦とされていたので、庚申塔も村の境に建てられることが多いらしいのです。
村の境に建てるので、道標を兼ねている庚申塔もたくさんあります。

庚申塔はバラエティーに富んでいるので被写体として人気があるようです。また雑多なところが探求心をそそるらしく、在野の研究者が多いそうです。

今回参考にした本「庚申信仰」飯田道夫 人文書院 1989年 「日本人の宗教 信仰と習俗」山折哲夫 

まだ読んでいませんが、「庚申信仰の研究」窪徳忠 は庚申信仰のについての唯一の学術的研究だそうです。「庚申待と庚申塔」三輪善之助 は庚申信仰に関する話題の全てが取り上げられていて、昭和10年刊の本ですが今読んでも色あせていないそうです。

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