契約書の雛形は著作物ですか?無断で使用できますか? |著作物とはなにか

契約書の著作物性についてですが。その前に。
著作権法はどのようなものを著作物と定義しているのでしょうか。

著作権法の定義による著作物とそうでないものの一例を挙げてみます。

[著作物であるもの(=著作権法で保護される著作物)の例 ・・・以下とする]

  • 幼稚園児が描いた絵
  • 新聞記事
  • 料理の方法を解説した本
  • 芸術家が作った壺
  • 宮殿、城、有名な庭園
  • 写真

[著作物ではないものの例 ・・・以下とする]

  • 動物園のゾウが描いた絵
  • 新聞に掲載された訃報
  • 料理の方法そのもの
  • 壺の形状の傘立
  • ありふれた建築物
  • スピード写真機で撮った証明写真

の違いは何でしょうか。

著作権法では、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。(著作権法二条一項一号)」とされています。

この場合の「創作的」には、厳密な新規性や芸術性は必要ないので、幼稚園児が書いた作文や絵も、立派な著作物です。
一方、著作権法による保護を受けられるのは、人間の著作物なので、どんなに上手でも動物園のゾウが描いた絵は著作物ではありません。

新聞記事は事実を伝えるためのものですが、読者に分かりやすく伝えようと工夫するところに創作性が認められるので、著作物です。
しかし、訃報はほぼ、事実の羅列であって、誰が書いても同じようになるので著作性は認められません。

同じことがスピード写真機で撮る証明写真にも言えます。これもカメラアングル等があらかじめ決まっており、誰が撮影してもらっても同じ仕上がりになるので著作物ではないのです。

また、著作物とは「発表したもの」でなければなりません。料理の方法など、アイディア自体は保護されないのです。
しかし、そのアイディアを本なり、パンフレットなどに表せば言語の著作物として保護されます。

美術品が著作物だというのは大変わかりやすいと思います。
が、彫刻の施された家具などのように、実用的な物品についてはどうでしょうか?
日本の著作権法は、一品制作の美術工芸品を美術の著作物に含めることとしています。
美術品として鑑賞の対象になるものは著作物、実用的な性格が濃いものは著作物ではないと考えてよさそうです。
宮殿や城が著作物で、私たちの住む家が著作物でないのも、同じような理由からでしょうか。

さて、契約書の雛形ですが、契約書というものは、法律を知っている者が作成すれば誰が作ってもほぼ同じ内容になるはずのものです。その雛形であれば最低限必要な条項が記されているだけで「創作性」は認められません。著作物には当たらないのです。

そもそも、市販の契約書の雛型集は、購入者が使用するのが前提です。通常は作成者が利用を許諾しているものと思われます。

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