カテゴリー別アーカイブ: 著作権

知的財産権制度説明会に行ってきました|船橋商工会議所にて

特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権をまとめて知的財産権と呼びます。
知的財産権といえば、「弁理士さんまたは弁護士さんの仕事」というのが一般的な理解だと思います。
しかし行政書士にも知的財産権に関する知識が必要になる場合があります。特許権譲渡契約書作成をするときなどです。

そこで、「平成28年度 知的財産権制度説明会(初心者向け)」に行ってきました。開催場所は船橋商工会議6階ホールで、特許庁の産業財産権専門官の方が講師としてお話しくださいました。

おかげで、ずっと疑問に思っていたことが、ひとつ解決しました。「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」ということになっていますが、この自然法則を利用がどのようなことを言っているのか長年分からなかったのでした。

たとえば「リンゴが落ちる」のは自然法則であることに間違いはないと思いますが、「発明」の中に「リンゴが落ちる」を組み込むことが、どうしてもイメージできなかった訳です。

この点について、持ち帰った資料を読んでみると「自然法則とは、自然界において経験的に見出される科学的な法則」と説明されていました。
また、反復により同一結果が得られることが必要である旨の説明もあります。
これらの記述から、小学校や中学校の理科の実験を思い浮かべ、自然法則を利用がどういうことを言っているのかイメージとして捉えることができました。

すなわち。
理科の実験は、同じ条件で試行すれば同じ結果が得られるし、条件を変えて試行すれば結果は変わってきます。実験を繰り返せば、経験的に科学的な法則を見出すことができ、その条件と結果を発明品に利用する、と理解しました。

この他にも「絶対的な支配権」「相対的な支配権」などなど、ナルホドと思える表現で説明が進行し、たいへん面白かったです。

最後に行政書士の業務の宣伝です。
「相対的な支配権」のひとつが「著作権」ですが、「著作権」の文化庁への登録は行政書士の業務です。(特許権、実用新案権、意匠権、商標権は弁理士または弁護士が特許庁に登録します。)
著作権の登録をお考えの方はぜひ弊事務所にご相談ください。
他にも、著作権が関係する契約書、たとえば写真やイラストの制作依頼に関する契約書、講演会の依頼に関する契約書などの依頼も喜んでお受けいたします。

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契約書の雛形は著作物ですか?無断で使用できますか? |著作物とはなにか

契約書の著作物性についてですが。その前に。
著作権法はどのようなものを著作物と定義しているのでしょうか。

著作権法の定義による著作物とそうでないものの一例を挙げてみます。

[著作物であるもの(=著作権法で保護される著作物)の例 ・・・以下とする]

  • 幼稚園児が描いた絵
  • 新聞記事
  • 料理の方法を解説した本
  • 芸術家が作った壺
  • 宮殿、城、有名な庭園
  • 写真

[著作物ではないものの例 ・・・以下とする]

  • 動物園のゾウが描いた絵
  • 新聞に掲載された訃報
  • 料理の方法そのもの
  • 壺の形状の傘立
  • ありふれた建築物
  • スピード写真機で撮った証明写真

の違いは何でしょうか。

著作権法では、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。(著作権法二条一項一号)」とされています。

この場合の「創作的」には、厳密な新規性や芸術性は必要ないので、幼稚園児が書いた作文や絵も、立派な著作物です。
一方、著作権法による保護を受けられるのは、人間の著作物なので、どんなに上手でも動物園のゾウが描いた絵は著作物ではありません。

新聞記事は事実を伝えるためのものですが、読者に分かりやすく伝えようと工夫するところに創作性が認められるので、著作物です。
しかし、訃報はほぼ、事実の羅列であって、誰が書いても同じようになるので著作性は認められません。

同じことがスピード写真機で撮る証明写真にも言えます。これもカメラアングル等があらかじめ決まっており、誰が撮影してもらっても同じ仕上がりになるので著作物ではないのです。

また、著作物とは「発表したもの」でなければなりません。料理の方法など、アイディア自体は保護されないのです。
しかし、そのアイディアを本なり、パンフレットなどに表せば言語の著作物として保護されます。

美術品が著作物だというのは大変わかりやすいと思います。
が、彫刻の施された家具などのように、実用的な物品についてはどうでしょうか?
日本の著作権法は、一品制作の美術工芸品を美術の著作物に含めることとしています。
美術品として鑑賞の対象になるものは著作物、実用的な性格が濃いものは著作物ではないと考えてよさそうです。
宮殿や城が著作物で、私たちの住む家が著作物でないのも、同じような理由からでしょうか。

さて、契約書の雛形ですが、契約書というものは、法律を知っている者が作成すれば誰が作ってもほぼ同じ内容になるはずのものです。その雛形であれば最低限必要な条項が記されているだけで「創作性」は認められません。著作物には当たらないのです。

そもそも、市販の契約書の雛型集は、購入者が使用するのが前提です。通常は作成者が利用を許諾しているものと思われます。

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著作権と所有権の違い|著作権の分かり難さは支分権のせい?

著作権の勉強を始めたころ、著作権の権利の性質がよく掴めなくて苦労しました。所有権との違いが分かるまでにも時間がかかりました。当時を思いおこしながら著作権と所有権について綴ってみました。

【そもそも何に対する、どのような権利なのか】

〈所有権〉
所有権は、民法の中の「物権」に分類されます。「物権」とは「人の物に対する権利」です。(これに対して「人の人に対する権利」が「債権」です。)

所有権とは人がある特定の物を全面的に物理的に支配する権利です。

民法206条(所有権の内容)
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

物とは、有体物のことです。

民法 第4章 物
(定義)
第85条
この法律において「物」とは、有体物をいう。

〈著作権〉
著作権の場合、権利の目的になるのは形のある物(有体物)ではありません。創作活動の結果として出来上がったコンテンツ(無体物)です。
では、コンテンツに対するどんな権利かというと、著作権法は、民法206条(所有権の内容)と違って、一言で表した条文がありません。
著作権法では、著作物の利用形態に応じて著作権の内容がいくつかの種類に分けて規定されています。
こんな感じです

第3款 著作権に含まれる権利の種類

第21条(複製権)
著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

第22条(上演権及び演奏権)
著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

この調子で第28条まで権利の種類が規定されています。これらを著作権の支分権といい、著作権は「権利の束」ともいわれます。

で、結局どんな権利かと言うと、著作物を出版、上演、放送等の方法により利用することに関する排他的、独占的な権利ということになります。
所有権と著作権の違いについて、弁護士の福井健策氏の例えが分かりやすかったので引用させてもらいます。

「紙の本それ自体とその中に入っている情報(コンテンツ)は別物です。紙の本を購入した場合、紙の本それ自体には購入者の所有権が働きますが、中に記されている情報には著作権があります。紙の本を自分で買ったとしても、中の情報をどんどんコピーすることは許されない。これが著作権というものの本質です。」(「なんでコンテンツにカネを払うのさ」岡田斗司夫氏との共著)

【権利の取得方法は?】

〈所有権〉
一般的なのは売買、贈与、相続など。あまりなさそうなのが時効による取得。(所有権の取得原因としてはむしろ例外に属するとされている。)
他に、遺失物の取得や、民法239条に規定されている、所有者のいない動産を所有の意思をもって占有することによる取得(川で魚を釣った場合など)などがあります。

〈著作権〉
著作権は著作物の創作と同時に自動的に発生します。登録などの手続きは要りません。

【権利の侵害に対して】

〈所有権〉
故意または過失で所有権が侵されたばあいの措置として、民法709条の不法行為による損害賠償があります。
しかし、所有者としては損害賠償を受け取るだけでなく、所有物を取り戻したい、原状回復して欲しいと思うでしょう。
そこで民法では所有権を根拠として次のような物権的請求権というものが認められています。
・返還請求権 (○○を返してほしい)
・妨害排除請求権(自分の土地に捨てられたゴミをどかしてほしい)
・妨害予防請求権(隣地の工事のせいで自分の土地が崩れそうだ。やめてほしい)

意外ですが、民法には物権的請求権を直接規定した条文はありません。しかしこの権利の存在は当然のことと解されているそうです。

〈著作権〉
著作権の侵害とは、著作者に無断で著作物を利用することをいいます。
著作権の侵害には、所有権のときと同じように民法の不法行為による損害賠償請求ができます。(相手に故意または過失がある場合のみ。)
他に
・差止請求(侵害行為をやめるように請求)
・予防請求(侵害行為をしないように請求)
・不当利得返還請求(侵害行為で不当に得た利益の返還を請求)
があります。

差止請求権と予防請求権は著作権法第112条に、不当利得返還請求権は民法第703条に規定されています。

【権利はどんな時消滅するのか】

〈所有権〉
目的物の滅失(家が消失してしまった等)、放棄(明文の規定はない)。
なお、所有権に消滅時効はありませんが、他人が取得時効で所有権を取得すれば、その反射的効果として所有権も消滅してしまいます。

〈著作権〉
著作者の死後50年で消滅します。更新したりはできません。

だらだらと書いてきましたが、言いたいのはこれです。
・著作権は支分権の束。これが著作権の分かりにくさの一因のような気がします。
・著作権で最も基本的な権利は複製権
・著作者は自由にコピーできるけど他人はダメよというのが著作権

注意
1.著作権は他人に譲渡できますが、このブログでは著作者=著作権者という想定で書いています。
2.広義の「著作権」では著作権は「著作者人格権」と財産権としての「著作権」の2種類があります。著作権法では財産権としての権利だけを意味して「著作権」という用語を使っています。この記事もそれに従っています。

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著作権とは具体的にどんな権利なのか

著作権の意味。誰が誰に対してどんな権利を持っているのか、具体的にどんなことなのか解りにくいですね。

とりあえず、著作権法第22条の「上演権および演奏権」の条文をみてみましょう。

第22条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

注目ワードは「権利を専有する」です。

もしも、あなたの趣味がギターで、新しいギター曲を作曲した場合には、その曲はあなた(=作曲者=著作者)だけが公衆の前で演奏し、お金をもらう権利を持っているのです。

そして、他の誰かがその曲をあなたに無断で公衆の前で演奏し、お金をもらっているのを見つけたら、あなたはそれを禁止する権利を持っているということでもあるのです。

この場合、あなたに出来ることは禁止だけではありません。使用料を取って他の人にその曲を使わせたり、著作権そのものを売ったりもできます。

あなたの作った楽曲を(営利目的で)演奏したい人は、あなたから許可をもらわなければならないのです。

このように、著作権とは著作物の利用についての排他的、独占的な権利のことなのです。

だだし、この権利は場合によっては、制限されることがあります。
慈善コンサートなど、営利目的でない場合や、家庭で個人的に演奏して楽しむときなどはこの権利は及びません。演奏者はあなたに許可を取ることなく、自由に演奏できます。

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著作権法に関する国際条約|著作権関連等の検定の学習にどうぞ

知的財産管理技能検定やビジネス著作権検定の学習で後回しにしがちな条約の簡単なまとめ。

1886年 ベルヌ条約

  • 著作権の国際的な保護を図る。
  • 無方式主義が原則。
  • 遡及効あり。条約の加盟前に創作された著作物にもベルヌ条約が適用される。
  • 外国人の著作物にも自国民と同等の保護を与える。(内国民待遇)→万国著作権条約も同じ。

1952年 万国著作権条約

  • 無方式主義の国と方式主義の国との調整をはかった。
  • 無方式主義をとる国の著作物でも、(C)記号、著作者の氏名、最初に発行された年月日を表示しておけば、方式主義をとる国で自動的に保護されるようになった。
  • 遡及効はない。→ベルヌ条約と違う。
  • 外国人の著作物にも自国民と同等の保護を与える。(内国民待遇)→ここはベルヌ条約と同じ。
  • ユネスコが中心になり制定。

1994年 TRIPS協定

  • WTO協定の付属書。
  • 知的所有権全般の国際的保護基準を定める。
  • 著作権については。
    1. プログラム、データベースの保護。
    2. コンピュータ・プログラム、映画、レコードの貸与に関する権利の付与。
    3. 実演家、レコード製作者、放送事業者の保護など。

1996年 WIPO著作権条約

  • ベルヌ条約の補完、強化のため。
  • ベルヌ条約を遵守したうえで
    1. 公衆伝達権の保護。
    2. 写真の保護期間の延長。
    3. コピープロテクション等の解除の禁止など。

 

◆ベルヌ条約と万国著作権条約の両方の保護を受ける著作物は、ベルヌ条約が適用されます。

◆外国人の著作物の本国での保護期間が、日本の著作権法の保護期間より短いときは、その本国の保護期間が適用されます。(内国民待遇の原則の例外。)

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自然の音に著作権はないけれど著作隣接権がある場合がある

著作権法の定義では、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」です。

波の音や鳥のさえずりは著作物ではありません。

ならば、自然の音を録音したCDは、無断でコピーし放題、レンタルし放題かといえば、もちろんそんなことはありません。

著作権法では、著作物を演奏した人や(著作物又は著作物でないものを)録音した人、放送、有線放送を行った人に対して、一定の保護を与えるために著作隣接権をさだめています。

録音を例にとれば、波の音のCDを録音した人には、レコード製作者としての権利が自動的に発生します。(条文にはレコード製作者とありますが、レコード盤のほか、CDや録音テープも含みます。)

この権利のなかには、著作権と同じように複製権が含まれるので、個人的に使う場合を除いて勝手にコピーできません。

商業用レコード(CDも)をレンタルするときは、レコード製作者は最初に発売された日から1年間は(レンタルすることを)許諾する権利を持ち、その後はレンタルレコード業者から報酬を受ける権利を持っています。

このほかに、送信可能化権、二次使用料を受ける権利、譲渡権も持っています。

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複製権について・用意周到な奥付の話

著作権は、複製権、上演権、演奏権などのいくつかに分かれた権利(支分権という)の集合体です。このことから著作権は「権利の束」とも言われます。

なかでも複製権は、「著作権制度における最も基本的な権利」(著作権ハンドブックp29)と言われています。

「紙の本を自分で買ったとしても、中の情報をどんどんコピーすることは許されない。これが著作権というものの本質です。」(福井健策 岡田斗司夫 「なんでコンテンツにカネを払うのさ?」より)

著作物は一般的に、複製(印刷や録音等)されて世間に広まっていきます。

自分だけが複製する権利を持ち、そして他の人に複製することを許可できる、というのが複製権です。

小説家などが、自分の書いた作品の複製を売って生計を立てていることを考えれば、複製権をコントロールする大切さがわかりますね。

というわけで、本の奥付にはこのような文言が載っていることが多いです。

「本書の全部または一部を無断で複写複製(コピー)することは、著作権法上の例外を除き、禁じられています。」(伊東潤 「城を嚙ませた男」)

もっと短い文言も多いです。
「本書の無断転載、複製、複写(コピー)、翻訳を禁じます。」(西股総生 「土の城指南」)

だいたい、こんな感じのものが多いかと思います。
が、洋書ですが、こんな長いのを見つけました。
訳すとこんな感じ?(なるべく逐語訳しようとしたので読みづらいです。)

「書評に使う場合をのぞき、出版社の書面による許可を得ずに、この本をどのような形態によっても、つまり、どの電子的(手段)、機械的(手段)または、電子的な複写、(複写機による)複写、録音・録画を含む現存する、もしくは今後発明される他の手段、または、どの情報記憶装置またはどの情報検索システムによっても、複製または利用することは禁じられている。」
(グレイ クック 「アスレティックボディ イン バランス」)

2003年にアメリカで出版された本です。
念が入ってますねえ。

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著作権の取得と登録および効果について

以前掲載した著作権登録制度についてもう少し詳しく、かつ簡潔に書いてみました。

● 著作権は、著作物の創作と同時に自動的に発生し、著作権を得るための登録制度はない。
登録しなくても権利はあるということ。
登録制度は、権利を取得するためのものではなく、著作権関係の法律的事実を明らかにするためのもの。

● プログラムの著作物以外は、創作しただけでは登録できない。公表や譲渡といった事実があった場合にのみ登録できる。

● 著作権登録ができるのは次の場合だけである。
[実名の登録]
(概要)
無名または変名で公表された著作物の著作者は、その実名での登録を受けることができる。
(効果)
登録を受けた者が、著作者と推定(*注)される。その結果、著作権の保護期間が著作者の死後50年間となる。(無名または変名で公表された著作物の保護期間は公表から50年間なので、保護期間が延びることになる。)

*注 法律用語で推定とは、覆す証拠がない限り一応その通り取扱うが、それが真実でない証拠が示されれば取扱いを変更する、という意味。

[第一発行年月日等の登録]
(概要)
著作権者または無名もしくは変名で公表された著作物の発行者は、当該著作物が最初に発行または公表された年月日の登録を受けることができる。
(効果)
登録されている日に当該著作物が最初に発行または公表されたと推定される。つまり、著作権の保護期間がはっきりする。

[創作年月日の登録]
(概要)
プログラムの著作物の著作者は、当該プログラムの著作物が創作された年月日の登録を受けることができる。
(効果)
登録されている日に当該プログラムの著作物が創作されたものと推定される。登録されたプログラムが特定されるので権利の譲渡や利用許諾が容易になる。
(注意)
プログラムの著作物の登録申請は創作後、6か月以内に行う必要がある。

[著作権の移転等の登録]
(概要)
著作権の譲渡があったとき、または著作権に質権が設定されたときに登録権利者および登録義務者は著作権の登録を受けることができる。
(効果)
権利の変動について第三者に対抗することができる。(12月10日付の当ブログ文化庁の著作権登録のメリットは?をご覧下さい。)

[出版権の設定等の登録]
(概要)
出版権の設定、移転等、または出版権を目的とする質権の設定等があった場合、登録権利者および登録義務者は出版権の登録を受けることができる。
(効果)
権利の変動について第三者に対抗することができる。(12月10日付の当ブログ文化庁の著作権登録のメリットは?をご覧下さい。)

● プログラムの著作物の登録は一般財団法人ソフトウェア情報センターに、それ以外の著作物の登録は文化庁にたいして行う。

弊事務所では著作権登録申請を代行しております。お気軽にお申し付けください。

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演奏会で著作権料が無料になるのはどんなときか?

楽曲にも著作権があり、私たちが演奏するときは、作曲家(著作権者)に著作権料を支払う必要があります。しかし、

  • 営利目的でない
  • 聴衆、観衆から料金をもらわない
  • 出演者に報酬を払わない

以上の3条件をすべて満たせば、著作権者に無断でコンサートなどで演奏できます。(著作権料を払わなくてよいということです。)

ところで、大学の文化祭やサークルの定期演奏会でチケットを販売したけど、著作権料って払ったっけ?と思った人もいるでしょう。

曲目が昔の作曲家のものであれば、著作権料の支払いがいらない場合があります。なぜなら、

  • 著作権は、著作者の死後50年で消滅します。
  • 著作権が他人に譲渡されていたり、相続されていても同じく著作者の死後50年で消滅します。
  • ただし、著作権者が死亡し、相続人がいないときは、存続期間の満了前でも消滅します。

というわけで、私たちがコンサートでお金をもらってバッハのヴァイオリン協奏曲を演奏しても、バッハの子孫に著作権料を払う必要はありません。そもそも著作権自体が存在していないのです。

バッハやモーツァルトは明らかに亡くなってから50年以上経っていますが、著作権の存続状況がよくわからない作曲家の場合は、音楽著作権の管理団体であるJASRACがホームページ上で公開している作品データベース「J-WID」で確認するか、直接JASRACに問い合せてみるといいでしょう。

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文化庁の著作権登録制度のメリットは?

前回の投稿「マルシー表示又はコピーライトマークについて」(旧ブログにあります。)の中で、著作権は著作物が作られると自動的に発生し、登録などの特別な手続きは必要ないと言いました。

しかし、著作権法には登録に関する条文が載っています。(第75条から第78条) これは何なのでしょうか。

実はここに掲げられている登録制度は、権利を取得するためのものではなく、著作権関係の法律的事実を明らかにするためのものです。

無名または変名で公表された著作物について、実名の登録をしたり(第75条)
著作物が最初に発行または公表された年月日を登録したり(第76条)
プログラムを創作した年月日を登録したり(第76条の2)
著作権の移転や質権の設定の登録をする(第77条)ものだったのです。

これらを登録することで、本当の著作権者以外の人が権利を主張したり、著作権の保護期間が不明になったり、プログラムの開発の先後関係に疑義を生じたりといったことを予防できます。

たとえば、第77条は以下のようになっています。

第77条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
一 著作権の移転
(後略)

条文だけでは分かりにくいかもしれませんが、こんなようなことです。

筆者がある人(甲さんとします)からある楽曲Aの著作権を買いました。でも著作権を移転したという登録をしていませんでした。一方、甲さんは楽曲Aが既に譲渡されているという事情を知らない乙さんにも楽曲Aの著作権を売り、乙さんは楽曲Aの著作権が甲から乙に移転したという登録をしていました。 この場合、筆者は乙さんから楽曲Aの使用をやめて欲しいという請求があったら、その請求に従わなければなりません。

著作権の移転そのものは、登録をしなくても効果が生じるのですが、このような二重譲渡の場面では、実際に移転の行われた時期にかかわらず、登録のない者は登録のある者に対抗できません。登録さえしておけばこんなことにはならなかったのに・・・。

著作権の登録は文化庁に対して行います。 文化庁のホームページで手続きの詳細をみることができます。

弊事務所では著作権の登録申請を代行しております。お気軽にご連絡ください。

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